2022

光年のすがた

The image of light years

Solo Exhibition

Gallery & Space TATSUMI

2022

photography by 春風

「光年のすがた」

 

土地をもつ惑星は系に属していて

おたがいの周りをまわりながら

ひかれあったり 遠ざかったりしている

 

偶然に寄せられる地図

周縁のちからでゆがむ領土

 

引力にのびちぢみする光

本影錐をなぞる光

 

おたがいをしらない等星は

それぞれに違う光年をえがきながら

星座として地上にかたちづくられる

 

すがたをうつす

あるときの 

光年のひとつを


記される日のひとつに

”Remain in the day”

Solo Exhibition

JINEN GALLERY 

2022

photography by JINEN GALLERY, saeko kishi

「記される日のひとつに」

 

わたしたちはおなじ地上にすんでいて

ひとつづきを分け合ってくらしている

 

隔てられることのない航路

境界をめぐる山々

 

切り取られた地図の上の国々

礼節とされるしぐさ

 

かつての海底は山の頂になり

森は湖に 葉は石になり

 

かつての都市は結晶になり

降り積もり 流れを漱ぐ

 

だれの手にも天秤はなく

絶やされるべき言葉はない

 

なにごともなく 忘れゆく未明の日々に

記される日のひとつに